日本を捨ててオーストラリアやカナダに行く東南アジア人 ~大丈夫、日本に移民は来ない☆~

日本を捨ててオーストラリアやカナダに行く東南アジア人 ~大丈夫、日本に移民は来ない☆~

日本では最近、少子化からくる労働力不足をおぎなうために移民を100万人入れようという議論が活発なようですね☆

本当に外国人は日本に来たいのか

多くの人は日本に外国人を入れることに反対なようで、「発展途上国から移民が殺到する」とか「その人たちは低賃金でも働くから、結果として日本人の賃金も下がる」とか意見が出てるし、「働かないのならすぐに強制送還できるようにしろ」とか好き放題言ってる人もいますよね☆

そんな中で私は「そもそもそんなに日本に外国人は来ないんじゃないかな~」って気がしてます。

私がNZで出会った東南アジア人

私にはニュージーランドに来て知り合いになった東南アジアの人が何人かいます。 ベトナム人のヒウはオーストラリアでIT系の仕事をしていますが、NZに彼女がいるのでちょくちょくメルボルンから遊びにきます。フィリピン人のカルロスは日本で5年以上働いていたのですが、給料が上がらないことにヤキモキしてニュージーランドに移ってきました。もう一人のフィリピン人のアンジェロは大学卒業後にNZに来てそのまま永住しています。

 

カルロス (フィリピン人) 30代後半 エンジニア 日本に5年以上住んでいた

ヒウ (ベトナム人) 30歳前後   プログラマー 日本が好きで旅行は何度か行ってる

アンジェロ (フィリピン人) 20代半ば プログラマー 日本が好きで旅行に行ったことがある

 

日本に行ったことを後悔したフィリピン人

カルロスは大学卒業後に世界中のいろいろな企業に応募して、優秀だったのでシンガポールとカナダ、そして日本の会社から内定をもらいました。少し迷いましたがカルロスは日本に行くことにしました。 同じタイミングでシンガポールの会社に行った同級生もカルロスのことを羨ましがっていたそうです。

その後日本に5年以上住んだカルロスにとって完全に誤算だったというか、詰めが甘かったのが、「日本では10年間住まないと永住権の申請すらできない」ことと「給料が上がるの遅い」ということでした。 カルロスが日本に来たのと同じ時期にシンガポールやカナダに行った元同級生達は、カルロスが日本で5年過ごした時点ですでに現地で永住権を取得して、給料もカルロスよりも高くなっていました。1年目の給料はカルロスはみんなよりも高かったんですけどね。

永住権を持っている彼らはシンガポールやカナダでリスクを伴うダイナミックな転職などもできますが、ワークビザで日本にいるカルロスにそんなことはできません。とりあえず永住権を取らないと、とても不自由。でも永住権を取るためにはあとさらに5年くらい日本で働かないといけないし、だいたい申請したからと言って必ずしも永住権がもらえるわけじゃない。

カルロスは日本に見切りをつけて、ニュージーランドに移りました。その後それなりに苦労しながらもNZで永住権を取って、今では日本にいた頃よりも稼いでいます。日本にいるカルロスの友達も、カナダに移住したそうです。 もちろん、カルロスがめっちゃくちゃ優秀だったなら、上手に転職して日本でも十分うまくやることもできたと思いますが、カルロスにとっては日本で成功するよりもNZで成功する方が楽だったのでしょう。 ちょっとわかります。移民が多いニュージーランド等の国だと外国人でも比較的分かりやすい査定システムで給与が決まるのに対して、日本はその辺り不透明な会社が多そうだから。

若い世代にとって日本はもう稼げる国ではない

この東南アジアの人達と話していて気づいたんですけど、若い世代になればなるほど「日本は稼げるリッチな国」とはもはや思っていないようです。 今30代後半のカルロスが日本に行った15年ほど前なら、まだフィリピンの中で「日本はお金持ちの国」っていう認識があったみたいですけどね。

ベトナム人のヒウはオーストラリアの大学に行って、そのままオーストラリアで就職しました。日本が好きでよく旅行も行ってますし、「1年くらいなら住んでみたいな」とも言ってます。「でも給料が低いから、1年以上住むのはちょっとね…。 旅行で行くくらいがちょうどいいのかもしれないね。」と。 

正直なところ私はIT系ならブラック企業に入らなければ日本でもオーストラリア並みに稼げると思いますけどね…☆

アンジェロは大学卒業後にニュージーランドに来て、3年くらいかけてNZで永住権を取りました。今はフルタイムで働きながら収入アップのためにパートタイムで修士のコースを取っているそうです。

「移民が増えると犯罪率が上がる」って心配している日本人が多いですけど、私はこの3人は犯罪なんかしないだろうな~って思います。だって結構稼いでるから。 しっかりお金貰ってたら誰も犯罪なんてしないですよね。犯罪に手を染めるのは移民じゃなくて、切実にお金が必要だけど、まともな給料を貰っていない人達です。

この3人の中の2人はIT人材です。色々なところで労働者が足りてないって言われる日本社会ですけど、特にヤバいのはIT人材ですよね。

IT人材不足が深刻化、2030年には78.9万人不足に 経済産業省調べ - ITMedia

IT人材の争奪戦が始まる – ZDJapan

でも高度なITスキルを持った人たちが日本に行きたいかというと、そうでもなさそうです。ヒウもアンジェロも「長期で日本に住むのはちょっと…」と言ってます。 NZで働いているアンジェロならともかく、オーストラリアで働いているヒウからすると、日本に行くことで給料が下がる可能性の方が高いですからね。

この3人はすでにNZやオーストラリアで定住しちゃっていますが、今の時点で東南アジアの国にいる人たちはどうでしょうか?

きっと日本が必要なのは技術を持った人たちだと思いますが、日本が必要としている技術は日本以外の国でも歓迎されます。技術を持った人たちに日本以外の国からアプローチがあったら、その人たちはそれでも日本に行くでしょうか? 

彼らにとって日本は、「母国で働くよりはずっといいけど、オーストラリアや他の英語圏と比べると見劣りする国」なんです。私はカルロスが日本を選ぶ最後の世代だったんじゃないかな~と思います☆

世界的に見て高い日本の平均年収は、年齢が高い人によって支えられている部分があるので、高い能力を持った若い人が日本に行くメリットはそんなにないんですよね。

慶応ボーイがワークビザを取れず、高卒の彼が永住権を取れた理由

日本の就活制度や企業文化って、外国で働きたい人にとって不利かもしれない

 

フィリピン人から見た日本とオーストラリアの比較↓

 日本オーストラリア・カナダ
言語日本語を学ぶ必要がある英語でOKだから他の国でも働きやすい
永住権めちゃくちゃ高給な場合を除いて、申請可能になるまでに10年かかる その後で国籍もとれるけど、母国の国籍は放棄しないといけないポイントさえ満たせば申請して1年以内に取れる ー 国籍もその後割とすぐに取れるし2重国籍が認められている
給料外資系で働けば悪くないけど、日本の企業ならまだ年功序列が残っているため、若い人は給料が上がりにくい基本的に高め 特にオーストラリア
労働環境会社によってかなり差がある良い
治安とても良いとても良い
差別あからさまな差別はないけど、いつまでたっても外国人扱い移民国家なので外国人差別はないけど、人種差別がたまにある
ドゥテルテ大統領いないいない

 

あなたがもしもどちらの国でも選べる高度なスキルを持ったフィリピン人だとして、この表を見てもあえて日本に行くでしょうか? 日本が日本に来る外国人を選びたいのと同じように、能力がある外国人も自分が行く国を選びたいですよね。

というわけで、日本に外国人が来てほしくない人に朗報です! 心配しなくてもたぶんそんなに来ません!よかったね☆

 

NHK – フィリピン人「このままでは日本を選ばないでしょう」

スキルを持ってない外国人は日本に向かう

でも今回の移民政策は単純労働の人材も受け入れるって言っているので、そうなるとあまりスキルを持っていない私のような人たちは日本に行こうかな~って思うでしょうね☆ それで低賃金で長時間の仕事をして、ある日キレて犯罪に走ると… だって日本人って労働問題にうるさいニュージーランドとかの海外ですら最低賃金払わない働かせ方をして捕まったり罰金払わされたりしてますもんね(サムライボウルとか)。 アウェイでここまでできるんだから、当然ホームではパスポート没収して奴隷労働させたりとかやりたい放題しますよね☆

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じゃあやっぱり治安は悪くなるのかな? すいません前言撤回します(>_<)  高度な技能を持った移民は来ませんが、他の移民は来ます! そして奴隷労働させられることにキレた外国人が犯罪を起こして治安が悪くなるかもしれませんが、それはたぶん日本人経営者のせいです☆ 

 

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