ニュージーランドと白人至上主義

ニュージーランドと白人至上主義

 

ニュージーランドで暮らしていて、私個人としては特に人種差別のようなものに遭ったことはありません。 ですが、今年に入ってから立て続けに白人至上主義団体がNZのニュースメディアに顔を出すようになりましたね。

 

3月のクライストチャーチモスクでの銃乱射事件が引き金かどうかは分かりませんが、5月にオークランド大学で白人至上主義のネオナチへの勧誘活動/会議があったらしく、警察が出てくる騒動になりました。ただ、本当にこんなイベントがあったのかどうかは謎なんですよね。Redditという海外のなんでも掲示板でひっそりと宣伝されていただけなので。

 

そこから1ヶ月しないうちに、今度はタウランガの住宅地のポストにネオナチの白人至上主義グループのチラシが投函されるという事件が起こりました。

 

 

「白人に生まれたっていいんだよ!」

「申し訳ないなんて思う必要ないよ!」

「自分の文化を卑下する必要なんてないんだ!」

 

 

なんか普通に白人に向けられた優しいメッセージにも見えますね…(笑)

 

白人の人達は別に「白人であることがいけないこと」なんて思ってないし、「自分の文化は劣っている」とも思ってないだろうから、独りよがりな空回りメッセージなんですけど…

 

これだけだったら別に警察まで出て大騒ぎするほどでもないと思いますが、このチラシに書いてあるホームページに行くと、教育が始まって、最終的に過激派になるキャリアパスなんだそうです。

 

ニュージーランドにいる白人至上主義者の人口自体はそんなに多くないですが、みんなヒマで時間が有り余っているからか、過激派(そして幼稚)になりがちです。2016年にもクライストチャーチのモスクで、段ボール箱に詰められた豚の頭が置かれるという嫌がらせがありました(豚はイスラム教徒では汚れた存在)。 これはクライストチャーチ在住44歳の白人至上主義者Phil Arpsがやったことで、この時彼はたった800ドルの罰金で済んだそうです。

 

毎日のように白人と黒人がガチンコファイトしているアメリカと違い、ヘイトによって起こる暴行事件などは今まで特になかったニュージーランドは、ヘイトクライム関連の法整備が全然できていなかったんです。

 

ちなみにこのPhilさんは3月の銃乱射事件でも率先してソーシャルメディアなどで犯人の投稿した動画をシェアしていて、今回はさすがに逮捕されたようです。 私はこのニュースを見た時、「他人の犯行動画をシェアしただけで逮捕はやりすぎじゃない?」と思ったのですが、こういう背景があったなら、ちょっと納得できますね。 

いい歳してマジで何やってんの

逮捕はやり過ぎだと今でも思いますが…ヘイトクライムの法律が適用されると、同じことをしてもその動機が人種差別だと罪が一気に重くなるので、あり得るかもなぁって感じます。

 

最近では白人至上主義者達はコミュニケーションの場をネットに移したので、パッと見で分かる人は減りましたが、オンラインでは相変わらず活発に議論がされているようです。そして案の定モスク大量殺人の犯人はヒーローとして崇められているとか。

 

 

なんか他に面白い趣味を見つければいいのにね

 

 

ずっと前に観た「アメリカンヒストリーX」という映画を思い出しました。「白人至上主義者の主人公が黒人を殺して刑務所に入るけど、刑務所内の洗濯室で一緒に働く黒人の人と少しずつ仲良くなる」っていう話です。

 

すごく面白い映画なのに、私があらすじを書くとなんかめちゃくちゃ軽く聞こえる…

 

ファイトクラブの人が主人公の役をやってて、とても面白いですよ☆

 

こちらも読まれてます↓

ニュージーランドで急速に減っていくキリスト教徒☆

NZ人とアメリカ人の根底にある価値観の大きな違い 自由と公平さ

在NZの日本人が受けた人種差別☆