元留学エージェントに仕事の話を聞いたらアラサー叩きがひどくて泣きそう☆

元留学エージェントに仕事の話を聞いたらアラサー叩きがひどくて泣きそう☆

 

オーストラリアで留学エージェントをした後NZにワーホリに来たCさん。今までは北島にいたのですが、これから南島に行くらしいので、旅立つ前にエージェント時代の話をお酒を交えて聞かせてもらうことにしました。結果から言うと、なんていうか、間接的に自分が責められているような気がしてちょっと申し訳なかったです♪

エージェントの仕事

 

1.ビザ申請代行とゴーストライティング

私「Cさんはエージェント時代、どんな業務をしてたんですか?」

 

エージェントC「基本的には、学生さんとかワーホリメーカーさんの質問に答えて、ビザの手続きをしてあげたり、学校紹介したりですよ。あと、オーストラリアの学生ビザを取るためには目的書(TGEっていうのかな?)ってのを移民局に提出しないといけないんですよ。」

 

私「それって英語で書くんですよね? その添削とかしてあげるんですか?」

 

エージェントC「いや、添削っていうか、全部こっちで書いてあげてました。日本語で必要な情報だけもらって」

 

私「え、ゴーストライター(笑)」

 

エージェントC「そう、ゴーストライティング(笑)」

 

私「ちなみに文の量はどれくらい?」

 

エージェントC「だいたい500から1000ワード、2ページ弱くらい。」

 

私「結構な量ですね! でも、英語勉強したい人って、英語ができないから勉強したいわけじゃないですか、なのに英語で目的書を書けって、きつくないですか?」

 

エージェントC「そうですね。でもこの目的書の英語って、間違いとかがあったり、すごく簡単な英語で書いてあっても、結局のところ移民局が理解できればいいんですよ。」

 

私「あ、じゃあ、やろうと思えば自分でできないことはないんですね。」

 

エージェントC「できます、できます。英語が下手でもちゃんと筋の通った文章を書いてれば、移民局としては満足なんですよ。 でもビザ取り学校(オーストラリアに残るためだけに学生ビザを取る人達が行くユルい学校)に通う人達の多くは、それすらもしようとしないし、できない人が多いから、私達エージェントが1から書くことが多いですね。」

 

私「エージェント側は誰がビザ取り学校で残ろうとしてるとか、分かるんですか?」

 

エージェントC「もちろんお客さんも「ビザ取り学校でビザとって違法労働します」とか言ってくるわけじゃないですよ。 中には言ってくる人もいますけど(笑) でも、言わなくても分かるんですよ。 「あーこの人、ワーホリで2年いたけどもうすぐビザ切れるから、これから語学学校に通うけどレベルはエレメンタリーかぁ…キャッシュジョブで働くんだろうなぁ~」って。 でも私達には関係ないので、普通に仕事としてやります。」

 

私「それで、その目的書の代筆はいくらくらいでやるんですか?」

 

エージェントC「60ドルくらいでやります。」

 

私「え、安くないですか? 言ってみれば翻訳なわけじゃないですか」

 

エージェントC「作業量だけで考えると、2~3時間くらいはかかるから、破格なんですけど、ウチが代筆してあげるということは、ウチを通して学校に通うわけじゃないですか」

 

私「あ、そっか!1年分の紹介料が紹介先の学校からくるわけね!」

 

エージェントC「そうなんですよ。1年とは限らないですが…だから、その後に入ってくるお金を考えると、本当は無料でやってあげてもいいくらいなんですよ。でも、ビザ申請が却下される人もいるから、そういう時のために最低限かかった人件費だけは回収するということで60ドル。」

 

私「そういう仕組みになってたのね。 代筆頼む人多い?」

 

エージェントC「多いですよ。英語できる人でも結構頼んできます。」

 

私「自分で書けばいいのになんで?」

 

エージェントC「余計なこと書くと却下されちゃうから、恐いじゃないですか。何を書いてよくて、何がダメなのかをある程度分かってる私達にやらせた方がビザが取れる可能性は上がりますからね。それでも落ちる人は落ちますけど。」

 

2.オーストラリアの学生ビザで却下される人

私「どんな人が落ちるんですか? NZでは学生ビザで却下って聞いたことないです。」

 

エージェントC「まず年齢が高い人。筋の通った経歴を持っていて、明確にオーストラリアで勉強しないといけない理由を持った人じゃないと、簡単に弾かれます。30歳過ぎると黄色信号ですね。 あと、学校に行ったはいいけど、期末試験をパスできなかったり、語学学校だったら次のレベルに進めなかった場合とかも、勉強するのが目的じゃないとみなされて落とされますね。以前1年間語学学校に通ったけどエレメンタリークラスから次のレベルに上がれなかった人がいたんですけど、その人は移民局から「あなたは英語の勉強は無駄です。」って学生ビザ却下されてました。」

 

私「なんだか厳しいんですね。それだと、自分で学生ビザ申請の準備するの少し恐いですよね。え、てことは、いまオーストラリアの留学エージェントかなり儲かってません?(笑) みんなエージェントに任せるようになるんじゃないですか。」

 

エージェントC「元同僚は忙しいって言ってます。でも、全ての学校から紹介料を貰えるわけじゃないですからね。一部のコミッションがない学校に行く人のビザ申請代行は、ちょっとボランティアみたいな感じになるのがね。」

 

3.留学生やワーホリメーカーのお世話

私「エージェントの仕事ってどうです? 楽しいです?」

 

エージェントC「うーん、楽しいですよ。でも、ヤバい客が多くて(笑)」

 

私「ヤバいって、変な人?」

 

エージェントC「なんていうかな~。若い子はいいんですよ。20歳とかでワーホリに来た子たちが、英語もわからない、右も左もわかんない状態でいたらすごく不安だろうし、こっちに色々と頼るのは仕方ないじゃないですか。」

 

私「そうですよね~」

 

エージェントC「でも、日本でそれなりに社会人経験も積んでるはずのギリホリで来てる人の中で、本当に自分では何も調べないし何もしない人とかいるんですよ!」

 

私「うーん☆(そのあたり、私も人のこと言えないからノーコメント)」

 

エージェントC「ギリホリ組から「花屋はどこにあるんですか~?」とか、「○○に10時に行きたいんですけど、バスありますか?」とか聞かれると、ドッと疲れが…ググれ~!って叫びたくなるのを抑えます。」

 

私「調べてあげるんですか?(私もバスの乗り方をエージェントに聞いたことある~)」

 

エージェントC「花屋は調べてあげました。 バスはGoogle mapを教えてあげましたよ。 エージェントの仕事してると、“この人、この歳になるまで一体どうやって生きてきたの?”って思える人に会う確率がやたら高いんですよ。 一応、留学○○センターって自称してるけど、ウチは観光案内ではないんですよーーー!」

 

私(うーーん☆)

エージェントC「ワーキングホリデーって、英語の習得だけじゃなくて、海外で異文化交流したり、自分の力でなるべく問題解決をしたりして成長するというのが目的の制度じゃないですか。」

 

私「そんな目的の制度だったっけ…☆ ただ外国に1年くらい住めるってだけでしょ…☆」

 

エージェントC「そうなんですよ! 外国人の友達作ったり、仕事を探したり、花屋を探したり、バスの時間調べたり、そういうのを通して成長するのがワーキングホリデーなんです!」

 

私「そうなんですね~☆」

 

エージェントC「“私に合う仕事見つけてください”って言ってきた客、“ネイティブの友達ができないからなんとかしてください”って言ってきた客、こういう人達はいっそ日本から出ないでほしい。

 

私「でもCさん、そういう人達がいるからエージェントっていう商売が成り立つわけじゃないですか。大事なお客様ですよ☆」←実は私もエージェントに仕事を探してもらおうとしたことあります☆

 

エージェントC「 “フランス語勉強したいからフランス人が多い語学学校紹介してください。” って言って来たお前、フランス行け。 ビザが切れる2日前にエージェントに来て“ビザ切れちゃうからなんとかしてください!” とか寝言言ってきたお前、ビザ甘く見すぎなんだよ!なんとかなったけど。

 

私「なんとかなるんだ(笑)」

 

エージェントC「語学学校とかならすぐにオファーの手紙を出してくれるんですよ。大学とかだと完全にアウトですが。」

 

私「意外となんとかなるもんなんですね☆」 人生も意外となんとかなるもんだよね☆

 

エージェントC「あと、パスポートの写真をメールで送るように頼んだら、パスポートの表紙の写真を送ってきた奴…マジで脳みそ使えよ? 今までどうやって生きてきたんだよ?」

 

私(やばい、私、それやったことある(笑))

 

確かにこの写真でどうしろと…

 

エージェントC「今私が言った人たち、全員アラサーです。その歳でなんでこんなに適当なの?って思いません?」

 

私「うーん、そのパスポートの表紙の写真送ってきた人とは、友達になりたいかも(笑)あと、私も人のこと言えないからな~☆ でもさ~世の中って、そんなもんだよ☆ そういう適当な人ばかりだけど、それでもうまく回ってるんだよ。 みんながみんなCさんみたいにしっかりしてるわけじゃないんですよ!」←自分を守るアラサー

 

エージェントC「あと、さっき話した学生ビザ申請時に目的書を書いてもらうってやつ、それ、まずは申請者に日本語で簡単に書いてもらうんです。それをもとに、私たちが英文を書くんですね。 学生ビザって、若い子だと多少目的がテキトーでも大丈夫なんですよ。大目に見てもらえるんです。でも、30歳過ぎると、審査が厳しくなるから、しっかりした目的がないとダメですよ~って言ってるのに」

 

私「言ってるのに?」

 

エージェントC「語学学校に行く理由として、“私は花屋で働いてたんですが、英語を覚えてオーストラリアで農業を勉強して~東京オリンピックに来る外国人に美味しいトマトを売りたいです~。英語ができる農家がいないから。” みたいな志望動機を書いてくる33歳がいたんですよ!なんだそれ!?って…意味分かんねーよ!って感じじゃないですか? 花屋かんけーないじゃんっていうか、何もかも意味わかんない(笑) しかも、オーストラリアで勉強する理由を書かないといけないのに、「ファームで働いたら虫が出て嫌でした」とか書いてるの(笑) 答えになってないよっ!」

私「うわ~…それで、その人どうなったんですか?」

 

エージェントC「そのまま英文にしても絶対ビザ却下されるから、3回くらい書き直してもらったんですけど、何度書いてもらっても納得できないから、最終的にこっちが90%くらい創作しました。めちゃくちゃ時間かかりましたよ。」

 

私「ちなみにその人、なんで学校に行きたかったんですか?」

 

エージェントC「オーストラリア人の彼氏がいたんですよ。確か1年以上一緒に住むとパートナーシップで永住権申請できるから、その期間を稼ぐために学生ビザで残ろうとしてたんですね。」

 

私「あ~…。 それならなおさらもう少し真剣に書けばいいのにね(笑) 結局とれたんですか?学生ビザ。」

 

エージェントC「うん、なんとか取れました。」

 

私「あ、よかったですね☆ Cさん達エージェントのおかげですね☆」

 

エージェントC「そうですね。でも結局その人、その半年後に彼とは別れて帰国しました。」

 

私「そういうもんですよね…」

 

~この後さらに2時間ほど愚痴を聞いて解散しました~

 

エージェントも客商売だから、なかなかストレスたまるみたいですね…それよりもなんか、ところどころで自分のことを言われてるみたいな気がして、こっちまでちょっとダメージが…(笑) Cさんが「こんなこと聞いてくるんですよ~?信じられます?」って言ってること、私もけっこうやった(笑)

でも、自分を擁護するために言いますけど、日本って、テキトーな人がテキトーな人達で集まってテキトーな仕事しても、意外となんとかうまく回ってしまう国なんですよね。社会のシステムがしっかりとしてるから。トップまでテキトーだとたまーにこういうこと↓が起こって外国から怒られたりするんですけどね。

 

私はテキトーに流されているだけでもなんとか生きていける優しい社会が好きですよ♪