オーストラリア学生ビザ却下 日本人で落ちたGTEの例 30歳以上でも受かるためのポイント

オーストラリア学生ビザ却下 日本人で落ちたGTEの例 30歳以上でも受かるためのポイント

オーストラリアで留学エージェントとして働いていたCさんにGTE statementについてお話を聞いたので、今日はちょっとGTEについて書きます。もしかしたら誰かの役に立つかもしれませんしね☆

 

日本人はどこの国でも手放しで歓迎される~!というイメージでしたが、最近はどうも手放しではなくなってきたみたいですね。 あんまり悪いことはしないから、それでも基本的には歓迎されますよ♪

 

ただ、特にここ最近はオーストラリアでは学生ビザでオーストラリア内に残って働く人達が多すぎるということで、学生ビザの審査が厳格化しました。 その点ニュージーランドはまだ学生ビザに関しては大丈夫そうです。

 

Cさんはオーストラリアで働いていたときに300人分くらいのGTEを見てきました。GTE statement (Genuine Temporary Entrant statement)というのは、簡単に説明すると、学生が「私はこれこれこういう理由で、オーストラリアのこの学校で勉強したいですよ~。」っていう、オーストラリアで学生しないといけない理由を書く宣誓書みたいなものです。

 

英語で書かないといけないので、英語が苦手な人は日本語で書いてそれを留学エージェントに翻訳してもらったりしますね。

 

このGTE statementを通して、移民局は学生ビザの申請者が「純粋に勉強する気があるのかどうか」を審査します。 2年前くらいまでは日本人はこれをかなり適当に書いても学生ビザが取れたのですが、最近はちょくちょく学生ビザも申請が却下される日本人が出ています。

 

オーストラリア学生ビザ落ちた人/受かった人

オーストラリアで学生ビザを申請しようとしている人達のために、今日は落ちた人/受かった人達の例をここでいくつか紹介しますね! 同じような条件だからと言って、必ず落ちるわけではなく、わりと担当のオフィサーの機嫌次第というのもあるんですよね。

 

落ちたケース1 日本人男性(年齢30半ばでシェフ)

学校の種類:語学学校

この方はGTEに「日本にあるレストランで働いているけど、お客さんに外国人が増えてきたから、英語で接客できるようになりたい。日本の英語教育はダメだ。オーストラリアで勉強した後は日本に帰って自分のレストランを開く。」と書きました。残念ながらビザは却下でした。移民局からのコメントは、「英語のために仕事を辞める理由も、オーストラリアでないといけない理由も分からない。なんか怪しい。」というもの。(←もちろん「怪しい」とかストレートで書いてないですよ(笑) 「genuine(本当の)な理由じゃないように見える」というコメントでした。)

 

受かったケース1 日本人男性(年齢20代後半でシェフ)

学校の種類:語学学校

GTE「ワーホリを2年したけど、英語がそんなに上達しなかったから、帰る前に1年間真面目に勉強だけをしてIELTS5くらいまでになりたい。 日本に帰ったら親の店を手伝って、その後自分の店も出したい。」

 

ケース1の人と条件はそう変わらないんですけど、この人は(おそらく年齢が30歳行ってなかったので)OKだったみたいです。

落ちたケース2 日本人女性(年齢30代前半の元小売店勤務)

学校の種類:語学学校

GTE「カナダでワーホリ1年して、その後オーストラリアでワーホリを2年して、その後語学学校に半年通ったけど、英語力はまだエレメンタリーだから、さらに半年間英語をしっかり勉強して上級レベルになりたい。帰ったら英語力を生かして外資系で働きたい。」

 

移民局からの返事「そんだけ長く英語を勉強していたのに未だにエレメンタリーレベルなら、もう無駄です。

 

落ちたケース3 日本人女性(年齢40代主婦。子供と一緒に留学)

学校の種類:語学学校

GTE「子どもをオーストラリアの小学校に1年間通わせたいので、自分も子供の面倒をみるために一緒に行く。ついでに語学学校に通って英語の勉強もしたい。夫が日本にいるから、1年後には帰るし、子供はインターナショナルスクールに転校させる。」

 

移民局からの返事「オーストラリアでないといけない理由が分からない。

 

受かったケース2 日本人女性(30代前半ウェブデザイナー)

学校の種類:オーストラリアの大学のマーケティング学部

GTE「ウェブデザイナーとして海外の顧客も増やすために、英語力の強化と西洋のビジネスの慣習とマーケティングのコツを学びたい。この大学は特にSNSを利用したオンラインマーケティングに強い教授がいるので、2年間かけて自分のマーケティング力を養いたい。日本に帰国後はまず海外に顧客が多いウェブ制作会社に就職して経験を積んだ後、フリーで独立したい。その為に世界各地の人が集まるシドニーでコネを作るのもきっと役に立つ。」

 

この人の場合は年齢は厳しかったのですが、経歴と、オーストラリアで学ぶ理由と、学校卒業後の計画までかなりしっかり書き込んでいたので、学生ビザは問題なく取れたそうです。

オーストラリアの学生ビザで落ちやすい人の特徴

オーストラリアの学生ビザで落ちる人は以下の特徴を持っています。

・年齢が30オーバー

・学びたいこととこれまでのキャリアが一致しない

・オーストラリアでなくてもできる勉強

・日本との結びつきが弱い

 

何よりも年齢が一番のポイントですね。20代前半とかならかなり適当に書いてもビザは取れるようです。でも30歳を過ぎると、しっかりとした理由を書かないと「不法滞在したいのかな?」ってマークされます。

なので、最終的にGTEを自分で書くにしろ翻訳してもらうにしろ、これから紹介するおさえないといけないポイントをしっかりおさえていきましょうね!

GTEおさえるポイントその1 

これまでの経歴とオーストラリアで学ぶことが関連していること

経歴にある程度の一貫性がある方が信用されます。

 

割と良い例:

「日本人向けのツアーガイドとして働いてきたけど、日本に来る外国人が年々増えているから、外国人客に頼まれることが増えてきた。でも英語ができないからずっと断ってきた。外国人向けのツアーガイドもできるようになりたい。だから英語、特にスピーキングの練習が必要。英語ができると給料にも手当がつく。」

 

割と良い例:

「警察では外国語人材が不足していて、自分はタガログ語ができるから既にかなり有利だけど、英語も必ず必要になるので、上級レベルまで行きたい。扱える言語が増えると手当も増えるので、この勉強は必要。」

 

かなりキビシイ例:

「焼肉屋で働いていたけど、子供のお客さんを見るのが好きだった。だからオーストラリアで保育の勉強がしたい。」

GTEおさえるポイントその2

オーストラリアの学校でないといけない理由

これが地味に一番難しいのですが、たとえば「それって日本でもできる勉強でしょ?なんでオーストラリアに来たいの? なんでその学校じゃないとダメなの?」というこの質問にしっかり答えられれば、ビザが取れる可能性がぐっと上がります。

 

割と良い例:

「タスマニアの特殊な生態系に前からずっと興味があって、フィールドワークなどが多く、現地の動物との距離が限りなく近くなるタスマニア大学で動物学を専攻したい。タスマニアデビルやウォンバット、カモノハシが私の人生全て。」

 

かなりキビシイ例:

「焼肉屋で働いていたけど、オーストラリア人のお客さんのフレンドリーさに感動したので、オーストラリアで英語を勉強したいと思った。」

 

個人的には微妙だと思うけどなぜかパスした人が多い例:

「オーストラリアは自然も多いし、日本との時差も少ないし、この学校は日本人の人口が少ないから英語環境にいい。アメリカに行った友達は犯罪に巻き込まれて大変だったから、治安のいいオーストラリアがいい。」←ある程度若ければこんなんでもいいみたいです。正直これだったら、「じゃあニュージーランドでもよくね?」って思える理由ですよね。

GTEおさえるべきポイントその3

日本との結びつきが強い

これもかなり重要です。オーストラリア政府は、これ以上オーストラリアにいる外国人をむやみに増やしたくないんです。だから、「この勉強が終わったら日本に帰らないといけない理由がある。帰る場所がある。」というアピールをしっかりすると、移民局は安心します。ここがハッキリしていない人は落とされる確率が高くなります。 日本に帰る理由がない場合、そのままオーストラリアに残るかもって思われるんですね。

 

良い例:

「大学を休学して英語の勉強に来ているので、4月までには日本に帰って大学に戻ります。」

「会社の内定が取れているので、4月までには帰って就職します。」

 

そこそこ良い例:

「両親が経営しているホテルを継がないといけないので、帰った後は英語を活かしてフロントとしてしばらく働きます。」

 

普通な例:

「コースが終わるまでにTOEICで800を取れば、英語で採用される確率がかなり上がるので、それを利用して会社の採用に応募します。」

 

ちょっとキビシイ例:

「英語ができるシェフとして自分の店を持ちます。」

 

まとめ

GTEを書くときは、特にこれらのポイントに注意して文章を作成しましょうね。これらのポイントをすべてしっかりおさえると、文章の単語数は700~800単語以上(2ページ弱)になるそうですよ。

 

日本人に多いのは、「英語を勉強して外資系で働きたい」という理由ですが、これはオーストラリア政府からすると意味が分からないと思います。 彼らが知りたいのは、「そこで英語を使って何をしたいか」とか「英語ができないと外資系に入れないのか」とか、「そもそもなんで外資系に入りたいのか」です。だいたいオーストラリアみたいな外国資本の会社が多い国では、日本人がよく言う「外資系」という括り自体がちょっとナンセンスと思われるかもしれませんね。 ですので、「英語を勉強して外資系に入りたいです」とか「グローバルな社会では絶対に英語がキャリアアップに役に立つと思います。」等の風船みたいにフワフワした理由の代わりに「日本のこの会社の製品Aやあの会社の製品Bは絶対に海外でもウケると思うので、英語を勉強してその会社の海外マーケティング部門で働きたいです」のように、ある程度具体的な計画を書いた方がいいらしいです。

 

ではGTE Statementの作成を頑張って無事に学生ビザを取ってくださいね!

 

↓こちらに少しだけGTEのテンプレを用意しました。よかったら参考程度に見てください☆

オーストラリア学生ビザ用GTEのテンプレ・例文紹介

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