初めて洋書を1冊終わりまで読めました☆

初めて洋書を1冊終わりまで読めました☆

 

洋書を読みたい

キオラー☆ マオリ語でこんにちは~☆

英語を勉強していた時の私の目標の一つに「洋書を読む」というのがありました☆ NZに来たばかりの頃に、本屋で「ブリジットジョーンズの日記」を買って挑戦してみたのですが、1ページ目から知らない単語だらけであえなく撃沈しました。あの頃の私は英語圏に来るだけでTOEIC400くらいの自分でも洋書が読めるようになると勘違いしていた可愛いリトルガールでした☆ 小説版のブリジットジョーンズは映画と違って容赦なかったです(笑)1ページ目で致命傷を受け、3ページ目でギブアップしました♪

↑ストーリーは完全にゆるふわコメディなのに、英語は激ムズだった♪

 

それからしばらく洋書を読むのは完全に諦め、地道に高校生向けくらいの教材から始めて英語の勉強をしたわけですが、最近は時給300円の生ゴミみたいな英和翻訳のバイトをずっとしていたのもあり、段々と英文を読むのにも慣れてきました。 というわけでもう一度チャレンジしようと思いました☆

 

ただ、英語学習者用に編集された本を読むのはなんか負けた気がしてイヤでした。

 

ゲームする時も、イージーモードは選べないんです私(>_<)

難しいモードを選ぶことはないけど、でもせめて普通モードじゃないと自分を許せないチンケなプライドの持ち主なんです私は(>_<)

 

だから語彙制限がかかったラダーシリーズとかはなんかイヤ…非常につまらないこだわりだって分かってますが…(笑) 普通にネイティブ向けに書かれた小説を読みたいんです! そしてできたら楽しみたいんです!

↑レベルごとに簡単な単語で書き直されている学習者用の本。レベル1なら語彙レベルが1000語なので、中学生でもなんとか読める。

 

そんな私のワガママな願いを叶える、適度に易しいけど学習者用に編集はされてない洋書がありました。しかも絵本じゃないですよ。

 

Catcher in the Rye

それはCatcher in the rye です。 邦題は「ライ麦畑でつかまえて」

日本では村上春樹が翻訳したことでプチ有名な本ですが、世界レベルではもっと有名です。それは、この本が過去に危険思想を促す有害図書だと思われて発売禁止にもなったという、いわくつきの本だからです。

主人公はホールデンという名の17歳の男の子なのですが、ちょっと高二病をこじらせてて、反社会的なセリフが多い上に、言葉遣いも悪いんです。でも、その後日本ではホールデンよりも2歳も年下の男の子が盗んだバイクで走りだしてましたからね、15~17歳って、そういう歳なんだよっていう話なだけの気もしますが… あと、この本は何人かの有名な殺人犯の愛読書だったらしく(ビートルズのキノコヘアーの人を射殺した犯人が、警察が来るまでこの本を読んでいたのは割と有名です)、そういう不幸な偶然が重なり、「有害図書」という扱いを受けたらしいです。

 

さて、実際にそんな有害な内容なのかというと、全然そんなことないです。しかもあらすじだけ見ると別に全然面白そうじゃない(笑)

 

~あらすじ~

クリスマス前に成績不振で全寮制高校を退学になったホールデン(当時16歳)は、電車で遠くの実家に1~2日かけてゆっくり帰ることにする。 その帰路で色々な人に会ってお喋りしてる内に自分の将来に不安を覚える。

 

これだけです(>_<)

 

でもっ! もちろんこれだけじゃないんです! いや、主人公の行動を箇条書きにするとつまんないんですけど、それはどんな小説でも同じですよね(笑)

 

あらすじはこんなんなんですけど、でもなぜかとても面白いんです。この小説!

 

面白いっていうか、謎の心地よさがあります。癒し。村上春樹小説の空気にそっくりです。主人公がグダグダと愚痴っぽいところとか。 だからハルキ小説が好きな人には合うはず。 家にいたくない大学生が夜の街でウダウダと朝までどうでもいいことを話して時間をつぶすだけの「アフターダーク (講談社文庫)」とかにノリが近いので、あれが好きな人には当たりですよ。いえ、ディスってないです(笑) 私は「アフターダーク」好きなんで、「ライ麦畑でつかまえて」もとてもよかったです。

 

「こいつは雰囲気イケメンなんだ。本人はうまく隠せてると思ってても、実はところどころボロが出てるんだ。」 ←謎の上から目線で嫌いなルームメイトをディスる主人公

 

「4度目の退学だよ…。もういける学校ないのかも」←不安になる主人公

 

「この言葉を使う大人ってインチキ臭くて信用できない。吐きそうになる。」←社会批判する主人公

 

「ライ麦畑で走りたい」 ←現実逃避する主人公

 

面白いですよ(笑)

 

英語学習用の本としての評価

英語学習者の視点から言うと、Catcher in the Ryeは一番最初の洋書にピッタリだと思いました。 この本のすごいところは、作者が意図的に17歳の主人公の言葉遣いで最初から最後まで書いているところです。 どういうことかと言うと、子供が使うボキャブラリーだけで全編語られるので、難しい単語が全然出てこないということです。

これは実は作中で主人公も言ってます。「俺って190cmくらいあるのに、使う言葉が13歳みたいなんだよな。」って。 おそらくTOEIC 750(英検準一級)くらいの人なら、この本はあまり辞書を引かずに読めると思います。私も最初の方こそ何度も辞書を使いましたけど、途中からは新しい単語がほとんど出てこなくなるため、後半はあまり辞書を使わずにテンポよく読み進められました。 ニュージーランドの高校生のボキャブラリーも貧困だってこのあいだ新聞に出てましたし、ある意味リアルですね。

ニュージーランドの高校生の英単語ボキャブラリーは日本人の難関大学生以下だった

私は日本語訳を読んだことがなかったので、英語版の今回が「ライ麦」初めてだったのですが、そんな私でも割と余裕をもってストーリーを追えましたし、ちゃんと理解できたと思います。勉強というよりも、ホント読書してる感じでした。

ちなみに同じ作者の別の短編小説もチラっと見てみたのですが、そちらは17歳の子供でない、大人の言葉で書かれていたので、使われる単語も難しくて読めませんでした(>_<)

なんか熱く語ってしまいましたが、おススメです! 特にハルキ好きはぜひ☆