日本人とキーウィの結婚観の違いを結婚制度から考えてみる 2

日本人とキーウィの結婚観の違いを結婚制度から考えてみる 2

キオラー☆ マオリ語でこんにちは~☆ 

 

前回私は「NZには婚外子差別の文化がない」から「できちゃった婚」という概念がない、という話をしました☆ 今回は、子供以外の視点からなぜNZで結婚する人が減るのか、もうちょっと考えたいと思いまーす☆

前回の記事 >> 日本人とニュージーランド人の結婚観の違いを結婚制度から考えてみる

 

このブログは基本的に私の中途半端な調査で得た知識、独断そして偏見で書いているので、異論は受け付けまーす☆

 

私が好きなSex and the Cityというドラマの、登場人物たちが結婚について話す場面で、こんなセリフがありました☆

「20年も一緒に住んでたのに、ある日突然若い彼女ができたって、家から身一つで追い出されたのよ、あの子。どれだけ一緒に住んでて家族みたいになってても、契約書にサインがなければ意味がないのよね。だからあなたも早く結婚しておきなさい。」

 

かなり記憶があいまいなのですが、確かこんなようなセリフでした(笑)

 

実はドラマのこの場面、NZでは成立しません☆

 

ニュージーランドでは事実婚でも結婚と同等の権利が認められるからです。 ある日、「身一つで突然家から追い出される」ことは、ニュージーランドでは起こりません☆ もしそんなことがあったら、そのまま裁判が始まります。

 

ニュージーランドでは、カップルとして一定期間一緒に住んで、お互いに金銭的に助け合ったりしている場合、例え婚姻届を出していなくても、二人の関係は結婚と同等と見なされます☆ 

 

これはどういうことかと言うと、例えばですけど、結婚せずに彼氏彼女のまま、彼氏の家に一緒に5年とか住むと、彼女の方に彼氏の家の半分の権利が移るということです☆ 別れる時に「この家の半分は私のもの」って言っていいんです☆ 財産ある方がからしたら結構恐いですよね(笑)

二人の間に子供ができた場合など、別れた時に、例えもともと結婚していなかったとしても、子供を引き取らなかった方に養育費を払う義務が出てきます。 これは日本でもそうかな?

 

そして、結婚していない状態で彼氏が死んだ場合も、一緒に住んでいた期間が長ければ、結婚していた場合と同じように、彼女に相続の権利が発生します☆

 

 

書類よりも本質

ニュージーランドという国は、書類上の記録よりも、実際の状況を重要視する国です。

 

結婚に対するニュージーランドのこのスタンスは、移民法にもしっかり反映されていて、例えばアメリカや日本だと、パートナーにビザを出すためには「結婚してる」ことが条件ですが、ニュージーランドの場合は、ビザや永住権をパートナーがサポートする時に「結婚していること」という条件はありません☆

 

「書類よりも本質」の精神なので、「婚姻届け」は二人の関係性の証明の参考にこそなるけれど、決定打にはなりません。 それよりも「一緒に住んでいる」という事実の方が移民局からは圧倒的に重視されます☆

逆に日本の場合、例え結婚が破綻していて、別居していたりしても、離婚届にサインしない限りは配偶者ビザが貰えたりするらしいです。 

 

私が知ってる人にも、ニュージーランドで結婚していないけどパートナーからビザをスポンサーしてもらった人は沢山います☆ その後に結婚するケースもあれば、しないでずっと一緒にいるケースもありますね。

 

政府ですらこんな感じなので、「結婚するかしないか」というのは、ニュージーランドではほとんど自己満足くらいの意味しか持たないんです☆

 

離婚するのに2年かかる

一度結婚すると、後で離婚したくなった場合、NZでは頭の冷却期間として2年間の別居が義務付けられています☆ 「こんな奴と一秒でも早く別れたいっ!」という人も、とりあえずみんな2年間待たないといけません☆(もちろん例外もあるでしょうが☆)

結婚する時には離婚することなんて考えないと思いますが、ちょっと別れる時の手間が増えるんですね。

 

不倫されても慰謝料の請求はできない

 

日本だと結婚している人が他の人と浮気していたのがバレると、されたほうは慰謝料を請求できます☆ ニュージーランドにはそういうルールはありません☆

日本だったら、「浮気されたの? 証拠はある?よし!裁判で慰謝料がっつり取ってやろうね!」となりますが、

ニュージーランドだと、「浮気されたの? どうしたいの?別れるの?やり直すの? え? 復讐? うーん、そんなに嫌いならもう別れたら?」となっちゃいます☆

私はNZに来るまでは慰謝料というのは当たり前の制度だと思っていたのですが、どうやら世界的に見ると、日本の方が特殊みたいですね☆ 浮気に対してお金を請求できる国って珍しいようです。

 

というわけで、ニュージーランドでは結婚しても不倫から守られることはないです。 だいたい結婚しているNZ人の3人に1人くらいが不倫を考えたことがあって、5人に1人は実際にしたことがあるらしいです☆ 

こういう不倫に関するデータって、日本でも同じような調査結果をどこかで見たので、世界共通で浮気する人はするし、しない人はしないんでしょうね。 慰謝料のあるなしは、あまり関係なさそうですね☆

 

 

ニュージーランドでは結婚という契約は、単純なメリット・デメリットだけで見ると、事実婚との差はなさそうです☆ 

 

なので、現在アラサーからアラフォーの人達の中には、「このパートナーと10年も一緒に過ごしたし、この関係を公式なものにしたいから、婚姻届けだそうかな♪」とか「もうここまで一緒にいたなら、この後で別れることもないよね~」という感じで「いまさら?」というタイミングで結婚する人がちょくちょくいるらしいです☆

 

ただ、それより若い人達になると、「さっさと結婚して計画通りに家族を築いていきたい」という人が増えるそうです☆ 自由奔放な親の世代を見た子供は、もう少し保守的になるんでしょうか? それでも全体的に見ると結婚する人自体は減っているようです☆ というか晩婚化が進んでいるんですね☆

 

 

一緒にいる理由は愛 それだけ☆

あと、他にも「信条」を理由に「結婚しない」という選択を進んでする人達もいます。

 たまに聞くんですけど、「俺たちの愛は本物だから、婚姻届なんていう紙に縛られたくない。俺たちはお互いを愛しているから一緒にいるんであって、結婚しているから一緒にいるんじゃないんだ~!」という人達です☆ 

究極のロマンチストです☆ 二人を結びつけるのは子供でも結婚でもなく愛なんです☆ 

 

この人達は、自分らのスペシャルな関係を、国とか法律とかに定義されたくないと思っています☆ ちょっと哲学的な少数派ですが、そういう人もNZには一定数います☆ 日本だと変な顔されそうですが、ニュージーランドは個人主義の国なので、その辺問題なさそうです。

 

彼らの話を長いこと聞かされたので、今なら彼らの主張はなんとなく理解できるのですが、おそらく一般的な日本人に聞かせると、「は、意味わかんない?何言ってるの?」という反応になるんじゃないかな~とも思います☆

 

 

 

まとめ

・子供の相続の観点からも、法的なパートナーの権利の視点からも、婚姻届けを出すことに直接的な意味がない以上、ニュージーランドで婚姻届けを出すのはかなりの部分「気持ちの問題」です。後は宗教的な理由とか。

・「婚姻届けを出さないと致命的に損をする」みたいな状況がない以上、長年連れ添ったカップルが気が向いた時に結婚する、というトレンドがあるようです。

・結婚する人は減っていますが、愛は不滅です☆

・結婚が減ったからと言って、社会が崩壊したとか、グレる子供が増えたというデータはありません。