NZのカトリック教会が腐ってるっぽい ~神父になりたかった青年に起きた悲劇~

NZのカトリック教会が腐ってるっぽい ~神父になりたかった青年に起きた悲劇~

 

1年ほど前に知り合って、それ以来ちょくちょく遊んでいる東南アジア出身の友達がいます。彼の名前は仮にジョージ(仮)とでもしましょうね。

 

ジョージは東南アジアの母国で生まれ、カトリックの両親のもとで自分もカトリックとして育ちました。大学では神学を学び、20代の時に神父になる決意をします。 私はあまり詳しくないのですが、カトリック教会の神父になるには10年間の修行が必要らしく、彼は20代から6年間母国で修行した後、NZにやってきて、さらに4年間の修行をこちらでしました。

 

オークランドのとある教会で約4年間働き、いよいよ10年という修行期間を満たし、これから神父のライセンスをゲットというゴールが見えたあたりで、ジョージに悲劇が訪れます。

 

ジョージの上司である神父リーダーが彼に性的暴行未遂を犯したのです。若く見られるアジア人ですが、ジョージはその中でもさらに童顔で、アラサーなのに10代に見えます。

 

ある日、神父はジョージに「マッサージをしてあげる」と言いながらジョージの体をさすり、その両手は少しずつジョージの肩から下半身の方へ伸びていきました。何かがおかしいと感じたジョージ、神父を「やめてください。こういった行為は適切ではありません。」とハッキリ拒絶します。その日からジョージは神父によって「被害妄想癖のあるウソつき」という悪口を周囲の人間にまき散らされます。 上下関係に厳しいカトリック教会、神父が白と言えば黒でも白になるんですね。そのままジョージは教会を破門になり、神父になるという道は閉じられてしまいました。

 

さすがにひどすぎるので、ジョージはNZのカトリック教会の上層部に自分がされたことを報告しました。が、NZのカトリック教会のトップの地位にいる人間が、ジョージを襲った神父と親友であるという理由だけで、なんの調査もされずにジョージが悪者ということにされてしまいました。

 

実はジョージを襲った神父は過去にも(当然)同じようなことをしていて、ジョージは10人目の被害者だったんですね。そのことをジョージは教会側に言ったのですが、なぜか教会側から「これ以上この件に対してグダグダ言うと訴えるぞ」と脅されます。本当に腐ってますね(笑) いったい何に対して訴えるというのでしょうか(笑)

 

売られたケンカは買うということで、ジョージは弁護士を雇って教会側を訴えました。が、教会側は裁判の日程を何度も繰り返し延期し、長期戦に持ち込みました。そうなると、資金が限られているジョージが完全に不利です。しかもあまり裕福でないんですよねジョージは。それに比べて教会側の資金は信者からいくらでも寄付という形で集められますし、言ってしまえば世界中のお金を使えるわけですからね。

同じ時期、ジョージを襲った神父はサバティカル(ホリデー)を取って海外旅行へ行ってしまいました。教会側は神父を守るために彼にホリデーを与えたのでしょう。

 

ジョージの国の領事館はジョージを全力でサポートするし、もうジョージの国からはNZに神父見習いを送らないようにすると言ってくれました。そしてジョージの国の人達はみんなジョージの味方です。ですが裁判だけだと分が悪いので、ジョージの弁護士は最終的に「新聞に言う?実名が出るのは避けられないけど…」と提案しました。すご~く悩んだ末、ジョージは諦めることにしました。NZは大きな国ではありません。 今後もNZで働いたりするつもりなら、例え自分が完全なる被害者であっても、悪い事件とセットで名前を覚えられるのは悪い影響しかないんです。

 

というわけで、残念ながらこの話は特にどんでん返しもなく、ハッピーエンドでは終わりませんでした。今も件の神父はのうのうと活動しています。

 

ジョージは教会に失望し、現在はNZで全く別の仕事をしています。今でもたまに寝る前に教会のことを考えると、怒りで眠れなくなることがあるそうです。それでも彼はなんとか幸せになろうとしていますし、優しい青年なのでみんなにとても好かれています。私は彼はきっと幸せになるだろうなって思います。

 

2016年に出たSpotlightという映画があります。世界中の教会が長年に渡って組織的に行ってきた児童に対する性的虐待についての実話を元にした映画です。エンドロールで性的虐待をしていた教会がずらーっと出てくるんですけど、オークランドもしっかりそのリストに入ってるんですよね~。とてもいい映画なので、おススメですよ!

こんな人が書いています。

ナタリー
ナタリー
アラサーでNZにワーホリに来ました☆ 頑張って外国で生活してみます☆