NZ企業の面接に行ったけど、たぶん詐欺会社☆

NZ企業の面接に行ったけど、たぶん詐欺会社☆

 

キオラー☆ マオリ語でこんにちは~☆ 今の仕事はヒマだし、半分くらいの時間は何をしているのか分からないまま時間が過ぎていくほど緩くて、それはそれでいいんですけど、まともな社会に戻れなくなるのが不安なので、先日ちょっと他の仕事に応募してみました。

今の職場で労働ビザを出してもらってるので、そう簡単には転職できません。だからこれは面接の練習みたいなノリです☆ もしも受かったらその後で考えればいいよね!

私が応募したのはTrademe.co.nzで見つけたほぼ最低時給の事務職。 おそらくNZ企業です。

ニュージーランドで現地企業の求人を探すなら、SeekかTrademeがいいんですけど、Seekの方が条件が厳しい求人が多い気がします。おそらく広告掲載料がSeekの方が高いのかな? Seekと被る求人も多いのですが、Trademeの方がもう少し「未経験でもやる気があれば」という求人は多いです。

 

・事務の職員が現在一人いるけど、その人だけじゃ回らなくなってきたから、アシスタントとしてもう一人ほしい

・パソコンが使える人(Word, Excel,Email)

・新しいことに挑戦したい人

・いろいろなことを学びたい方

・広い心を持った人

 

という、よく見るテンプレートのような求人文句。 ただ、最後の一つだけちょっと気になる…

CV(履歴書)を送ってみたら、その日の内に電話が来て、面接が決まりました。

 

 

~当日~

面接の場所に行くと、私の他にも10人くらいいました。8割くらいキーウィ。この時点で「ポジションは1つなのに10人もいる。もー無理だな☆」って私は諦めてました。

その後もどんどん人が入ってきて、結局20人になりました。

すごい、ほぼ最低時給の仕事なのに、条件がゆるめで応募しやすいから、こんなに集まってきた。しかも日本人しか見ない「NZ大好き」と違って、NZ(というかオークランド)に住んでるみんなが見るから、倍率も自然に高くなるよね…

となりにいるキーウィの女の子に「沢山いるね~」と話しかけてみます☆

キーウィ「最低時給なのにこんなに競争が激しいなんてね。私は今大学生で、少しは事務の経験があるんだけど、もっと経験を積みたいから応募してみたの。あなたは?」

私「私は大学生じゃないけど、同じような感じだよ。」

 

そこで会社の社長っぽいキーウィの中年女性が奥の部屋から出てきました。

私たち20人余りを中の大きな会議室に通します。

会議室の大きな円卓をみんなで囲んで、ホワイトボードの前に社長(かどうかはわからないけど以下社長)が立って挨拶を始めました。

社長「こんなに集まってくれてありがとう。とても嬉しいわ。若い人がずいぶんといるし、これからオリエンテーションをしましょう。」

 

まずはオフィスでのマナー講座。

その後グループに分かれてのディスカッション。

ちょっとした思考ゲーム(無人島に1つしかものを持っていけないなら、何を持っていくのがベストか等)。

 

学校かよ?!

と思いつつ、ちょっと楽しんでいる自分(笑) 面接に来たみんなもライバル同士だけど、ちょっと打ち解けてきた感じです。

 

その後、私たち20人に対して会社の歴史と、商品の説明。

水の浄化システムや、空気の浄化システムを売ってるそうです。「これは世界を変える商品なの」と力説する社長。 「そんなんで変わってたまるか~☆」と心の中でツッコむ私。

ここまでで1時間半くらい経ってます。 だいたいの説明が終わって、これから個別面接でもあるのかな?と思ったその時、社長が「わが社のエースなの」と呼んでいる男性社員(若いイケメンキーウィ)とバトンタッチ。

いかに営業の自分が歩合で稼いでいるかを力強く話し始めるエース。

「先月の給料は1万ドルだった。」

「これまでに最短で10分で1000ドル稼いだ。」

「ウチの商品は世界を変える商品だから、売ることは客の幸せにつながるんだ。」

「客の健康を考えるなら、なるべく沢山売ってあげるんだ!」←工事費込みで1つあたり軽く50万円くらいする商品

 

なんか雲行きが怪しくなってきてる…

これって…日本のウォーターサーバーとかの営業を思い起こさせる…

なぜか頭に浮かんでくる某居酒屋の社長の顔…

 

人は「ありがとう」を食べて生きていけるんだよ お金なんかいらない

 

エースが紹介するのは「完全歩合制」「ベース給料ナシ」の「契約社員」で「飛び込み営業」の仕事。

 

あれ、求人は事務アシスタントだったよね…?

 

エース「ここまでで質問は?」

 

若い男の子「そんなに科学的に効果が証明されているなら、政府から助成金とかはないんですか?」

 

私(いい質問だ!若いの!)

エース「助成金はない。その方がペーパーワークが必要ないからいいだろう? 助成金なんかあると、大量の手続きが必要になってお客様にとって面倒だ!ローンで売った方が感謝される!」←どんだけ~

 

この部屋にいる人達きっと誰もその説明じゃ納得しないぞエース(笑)

再び社長とバトンタッチ

 

社長「せっかく集まってくれたんだけど、実はつい昨日、事務アシスタントのポジションは埋まっちゃったの。でも、こんなに有能でやる気のある人達との関係をなくすのは、とても惜しいことだと思うわ。」

 

「うわ~」となる空気

 

社長「どうかしら、あなた達もうちの(ベース給料なし・完全歩合・交通費なし・契約社員の飛び込み)営業をやってみない?」

 

シーンとなる部屋。

 

社長「やる気がないなら今すぐ帰って。

 

おっと本音が出た(笑) 「営業しないならあなた達にかかわってる時間なんてないのよ」って声が聞こえてくるようです☆

 

こういう時どうしたらいいんだろう? もう帰る気満々だけど…と思っていたら、部屋にいる4分の3くらいが一斉に立ち上がって部屋から出ていきました。 私も遅れずに立ち上がります。

 

残った数人(ほとんどが高校卒業したばかりっぽい若い外見)に向かって社長が「あなたたちはこの世界をよくするためになんでもしてくれるのよね。うれしいわ。」とか言ってる(>_<) それを尻目に私も部屋から出ました。

 

帰り道で面接前にちょっと話したキーウィの大学生と「あれは完全に詐欺求人でしょ。お互い時間を無駄にしちゃったね。次はいいのがあるといいね。」という話をして終わりました☆

 

いやー、こういうの、どこにでもあるんですね~。とりあえず求人広告に「Open-mindedな人募集」って書いてあったら要注意ですね! Open-mindedって日本語だとなんて言うんだろう…広い心? 新しい物事(完全歩合の飛び込み営業)を受け入れる精神?  

 

ブラック求人は日本だけじゃないっていう話でした☆

 

こんな人が書いています。

ナタリー
ナタリー
アラサーでNZにワーホリに来ました☆ 頑張って外国で生活してみます☆